ホルモン異常の病気

甲状腺チェック表

甲状腺機能亢進症

1疲れやすさやだるさがある

2発汗増加

3暑がりである

4脈が早い

5手足がふるえる

6甲状腺が腫れる(甲状腺腫)

7体重が減少する

8イライラする

9かゆみがある

10口が渇く

11眠れない

12微熱が続く

バセドー病と橋本病

はじめに

甲状腺は、のど仏の下で気管の全面に位置する20g程度の小さい臓器で、女性は男性よりやや高い位置にあります。女性は男性に比べて数倍ほど甲状腺の病気になりやすく、また触れやすいため発見率が高くなると考えられています。甲状腺はホルモンを分泌して代謝をコントロールする臓器です。脳下垂体から甲状腺刺激ホルモンが分泌され、この刺激で甲状腺ホルモンが分泌されます。甲状腺ホルモンは糖代謝や脂質代謝などに関係していて、ホルモンのバランスが乱れると多彩な症状を起こします。分泌量が過剰となる亢進症と分泌量が不足する低下症があり、甲状腺機能異常は更年期障害やうつ病など他の病気と間違われることも少なくありません。

甲状腺機能亢進症

最も一般的な甲状腺機能亢進症はバセドウ病です。その他に甲状腺機能が亢進する病態として、亜急性甲状腺炎、無痛性甲状腺炎、ホルモン産生腫瘍、妊娠中の一過性亢進などがあります。甲状腺機能亢進では動悸、息切れ、頻脈、手の震え、体重減少、過食、下痢、不眠、イライラ感などが主な症状であり、代謝の亢進により、コレステロール値の低下がみられることがあります。バセドー病では眼突といわれる特徴的な眼の症状や甲状腺腫大による頚部の腫れがあれば診断は比較的容易ですが、これらの身体的特徴を欠く場合も多くみられます。
また、患者自身も症状に慣れてしまって病的意識が乏しく、診断が遅れることも少なくありません。特に小児期の発症は稀であり、亢進症状があってもうまく不調の症状を伝えられないことも多く、イライラなども反抗期と思われてしまうなど、診断まで時間がかかることがあります。成人は、健診での肝機能異常やアルカリフォスファターゼの上昇で偶然にみつかる場合もあります。  
バセドー病を疑えば、血液検査により甲状腺ホルモンの上昇と原因抗体であるTRAbあるいはTSAbの存在により診断できますが、ホルモン上昇が軽度の場合や原因抗体が陰性の場合もあり、注意が必要です。まれな例として、甲状腺機能が正常なバセドー病もあるため専門的な知識と経験が必要です。バセドー病と診断できればまず内服治療を行います。メルカゾールあるいはプロパジール(チウラジール)の内服が第1選択であり、状態によって内服ヨードや頻脈を抑えるβブロッカーを併用します。妊娠出産を希望の女性ではプロパジール(チウラジール)の方が、胎児への影響が少ないと言われています。治療経過のなかでTRAbあるいはTSAbの陰性化とホルモン値の安定により寛解に至る症例もあります。メルカゾールあるいはプロパジール(チウラジール)に対する副作用で内服治療が不可能な場合、甲状腺腫が大きく難治性の場合、治療経過が長いなどの症例では、アイソトープ治療や手術を選択する場合もあります。亢進症状を感じたら甲状腺ホルモンの検査を受けましょう。更年期症状と似ているので女性の場合は特に注意が必要です。

甲状腺機能低下症

最も一般的な甲状腺機能低下症は橋本病で、膠原病と同じ自己免疫疾患の一種です。甲状腺組織に対してTgAbあるいはTPOAbと呼ばれる自己抗体により、甲状腺ホルモンの分泌が低下する病気です。主な症状は倦怠感、むくみ、眠気、皮膚の乾燥、脱毛、体重増加、徐脈などで、代謝の低下によりコレステロール値の上昇がみられることがあります。低下症の症状は比較的穏やかでゆっくり進行することが多く、日常生活の中で病気と気づきにくい場合も多くみられます。高齢者では、思考力の低下によって認知症と間違われることもあります。甲状腺ホルモンの検査を受ければ容易に診断できますが、気づかずに何年も暮らしている人も少なくありません。子供は生まれてすぐに新生児マス・スクリーニングによって、先天性甲状腺機能低下症の有無を検査します。先天性低下症はクレチン病と呼ばれ、すぐに治療を開始することで障害を回避します。橋本病以外では、頭頸部の悪性腫瘍(舌癌など)の放射線治療後に甲状腺機能低下となることがあります。また、海藻類などのヨード含有食品、ヨード造影剤検査などのヨード過剰摂取により甲状腺ホルモンの合成分泌が抑制され機能低下となることがあります。甲状腺腫瘍の手術後やバセドウ病の放射線治療後は甲状腺機能低下となる場合が多く定期的な甲状腺ホルモンのチェックが必要です。低下症の治療は簡単でチラーヂンという甲状腺ホルモン剤の内服にてホルモン値が改善し、多くの症状が軽快します。

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